第315章

車内は、しんと静まり返っていく。

望月琛はハンドルを握りながら、前田南の邪魔をしまいと必死に己を抑え込んでいた。

だが、溢れ出る衝動を抑えきれずに、彼は気遣わしげに口を開く。

「南。最近、無理をしすぎている。あまり強がるな、少しは休め」

「体を壊したら、俺は……いや、ククが悲しむぞ」

前田南は答えず、ただ静かに車窓の外を眺めていた。だがその胸中は、強烈な焦燥感に焼かれている。

望月琛の言葉になど、反論する気力も、会話を交わす余裕もなかった。

今の彼女にとって、最優先すべきは他でもない。

一刻も早く、ククに会うことだ。

そのためなら、他の全てはどうでもよかった。望月琛の存在で...

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